コトワリノイエ

香川県高松市の中心部に程近い場所に建つ若い夫婦とその子供達のための住宅。
この場所は数年おきに高潮で浸水するところで1階のフロアレベルをGLから1メートル以上にする事が前提条件だった。
約30坪の敷地面積に対してクライアントが望む外部の機能(駐車場・庭・ウッドデッキ)の面積が大きく建物の床面積を圧迫した。この住宅では空間の利用密度を高めるため移動スペースは最小面積とし共用のLDKから各室へアクセスできる平面計画とした。
エントランスから敷地の隅切りへ沿う壁とも屋根とも言えぬ連続した壁は、この地に移り住む家族の居所を包み空間の広がりを与え外部の環境を内部に取り込む。
平面的には動線を排除し単純化された計画であるが様々な理(ことわり)を積み重ね生まれた空間の多様性は、与えられた広さ以上の豊かさを享受する。

photo:Toshihiro Misaki

場所:香川県高松市
敷地面積:97.59㎡(29.52坪)
建築面積:55.64㎡(16.83坪)
延床面積:98.14㎡(29.69坪)
構造:木造2階建て